Review : 今転職するべきか。もう一度「仕事」について考える-小宮謙一著「32歳までに必ずやっておくべきこと」を読了

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伝説の人事部長が明かす 32歳までに必ずやっておくべきこと

30代はなにかと節目になる年代といわれていますが、キャリアについて色々と悩みをもつ人も多いのではないでしょうか。

アプリ屋としてひとつ所で7年間働いてきた自分ですが、僕もここ数ヶ月いろいろあって本気でキャリアについて考えるようになりました。 転職も含めて、「仕事」に対してどう向き合っていくべきか。それを考える参考にするために、本書を手に取りました。

ここでは個人的に参考になった点を紹介したいと思います。

当事者意識をもつ

この本では、本当のプロフェッショナルは「当事者意識を持って」働いているといいます。当事者意識を持つとはどういう事か。

  • 自分で考え、選び、実行する。その結果として他責にせず、言い訳をしない。
  • すべてを自分ごととしてとらえ、他者のせいにしない

似たような話を以前、慶応大学の小杉俊哉氏の講演でも聞いたことがありました。

小杉氏は、例えば会社から言われたからやっている仕事でも、実際にそれを自分がやっている以上それは自分が選択しているのだ、ということを指摘していました。つまり、断りたければ断ればいいのに、社内の立場とか、給料の維持とか、家のローンとかで天秤にかけて結果それをやることを決めているのは自分自身だという自覚を持て、ということでした。

そのときは非常に目からウロコで、非常に啓発された思い出があります。

まさに本書でも、そのような高い意識での当事者意識がプロには欠かせないと説いています。

蓄積された能力や技術だけでなく、知識情報の広さを求める

書籍内では「専門バカになるな」と言っていますが、要するに自分の専門以外は知りません、というのでは食っていけないよといいます。

まず基礎力として、自分の専門領域の知識や知っていて当然のトレンドなどは知っていなければならないと指摘します。 そしてさらに知識情報を広げることが重要だと説きます。 「π型人材」という単語を聞いたことがありますが、時代的に1つの強みの技術や知識だけをアピールしても、市場価値として売っていけないということです。

ではどのように知識情報を広げて行くのか。個人的に気に入った方法を挙げると、以下の2つです。

  • 人が味わっていない経験をつむ
  • 面倒だと思うものでも、やってみる

書籍内では、「人が味わっていない経験をつむ」ために、異動や出向などもポジティブに捕らえて向き合うとよいと述べています。また、日常的にも多読やおいしいものをたべにいく、また趣味の時間を大切にするなど、一見無駄と捕らえがちなことでもその中から得られる知識があると指摘します。

仕事に慣れてきて、色々とやりたいことも出てくるとつい効率を求めがちになってしまいます。 もちろん24時間しかない時間の中で、何をやるべきかをストイックに考えることは重要です。

でも意外とちょっと面倒なことでもやってみることで、それを経験として活かすこともできるという指摘は、面倒だけどどうしてもやらなければならない仕事に向かうとき、ポジティブに取り組むために重要な視点ではないかと思います。

新しいことに一緒に取り組める仲間をつくる

新しいアイデアを形にしたり、事業化するようなチャレンジをするとき、仲間はとても重要です。 ライフハッカーでも、約1/4の起業家がチーム構成を失敗の原因にあげるように、どのようなメンバと取り組むかが事業成功のカギを握るケースも少なくないようです。

101人の失敗した起業家に聞く「うまくいかなかった原因」 | ライフハッカー[日本版]

本書でも人脈の重要性に触れています。そして、「何かやってみようよ」というときに一緒に取り組める人脈をつくるべきと述べています。 そのポイントは非常に自然な人付き合いの基礎を説いているようでした。D・カーネギーの名著「人を動かす」に通じるところがあると思います。

  • 損得勘定はもたない
  • 気持ちのいい付き合いを重視する
  • 純粋に人の喜ぶことをするようにする

いざというときに動いてくれる人でなければ、人脈とはいえないと著者はいいます。そのために、リアルなコミュニケーションを心がけるべきだと述べています。 その方法として、「自己開示をしていく」ということが有効だといいます。

自己開示していく

上記のような仲間を作っていくために、積極的に自己開示をしていくべきだといいます。

「こんなことができたら面白いんじゃないか?」とやりたいことを投げかけ続け、自分が渦中にいることを楽しむことで、答えを持っている人は向こうから来てくれると指摘します。

そのためにSNSを利用したり、仲間の集まりなど自分の悩み事などを言える場を持ち、リアルなコミュニケーションをすることが大切だといいます。

僕なんかは、つい自分のアイデアを恥ずかしいとか、否定されることを恐れて口ごもってしまいがちです。 そうではなく、もっと積極的に自己開示し、それに積極的に取り組む自分をオープンにしていくことで、「仲間」が得られるということに改めて気づかされました。

自分の市場価値を把握するために、自己点検をしてみる

色々と仕事に対する考え方を挙げてきましたが、では自分の市場価値はどれほどなのか? これを測る簡単な方法が職務履歴書と転職活動だといいます。

職務履歴書を書くことで、自分のスキルや自分の仕事は何かということを「他人に説明できる」ように形式知化することができ、自己認識に繋がります。 もし、実際に誰かにそれを説明したり、転職活動をすると、外部からその評価を得ることもできます。また実際に転職活動しなくても、人づてに興味のある業界の知人に聞いてみることも有効であるといいます。

このような自己点検を通して、自己認識を深めることで目標があればそのキャリアに対する今の自分とのギャップを正しく把握できますし、今の仕事の中でどのような意識でとりくんでいけばよいのかの指針にもなります。

他者のせいにしたら終わり

また、もしやりたいことがあるからという理由で転職を考えている場合、実は今いる場所のほうが有利なことが多いといいます。 それはこれまで培ってきた人脈や信頼を使うことができるからです。それらを有効に使うことで、自分のやりたいことを実現できる可能性があります。 もし転職してしまうと、もう一度最初からこれらを蓄積しなければなりません。

また、もしやりたいことができないことを今の職場のせいにしている場合、それは一種の「病気」だといいます。 今自分を取り巻く環境に課題を感じている場合、それは転職しても変わらないといいます。 本当にできる人間は、どんな環境でもやりたいことを実現してしまうものだと指摘します。

もちろん状況によると思いますが、よほどブラックな状況でない限り本当に環境が悪いのか、自分は今できることをやりきったのかもう一度考えるのはとても大切だと思いました。

また、中堅にもなると環境を変えていくことに責任もあるのだと説きます。 会社が傾いているのであれば、それをなんとかするのができることのすべてであり、それがプロ意識であると言います。

まとめ。結局、転職すべき?

こう考えていくと、自分は今転職するべきじゃない、むしろ今の職場でやるべきことはまだまだある、と思えてきました。 自分でやりたいこともあるのですが、それは今の仕事をやめてできるものでもないし、今の職場でそのために学べること、できることがあると気づくことが出来ました。

もちろん辛いところも多々あるのですが、それはただ逃げているのかもしれないと、そう思うようになりました。 視点を変えて自分のキャリアへのメリットや、やりたいことをやるための糧だと思うと、モチベーションを持って取り組んでいけるのではないか。 自分はこの本を通して、そう思えるようになったことが一番の得られたことかなと思います。

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